【Message】コロナ禍で生きる、理系の力

理工学部応用情報工学科4年
小金井企画実行委員会委員長
菅原 太樹さん(Sugawara Taiki)

  • 2021年11月17日 掲載
  • 学生紹介

Messageでは、「自由を生き抜く実践知」を体現している学生の声を届けます。

学校で学んだことを具体的に実践してみたい。思えばこの思想は私が付属校である法政大学中学高等学校に在籍していた頃から、育まれていたのかもしれません。

私は法政大学に入学した時、真っ先に小金井キャンパスで公式行事の企画・運営を行う企画実行委員会への入会を決めました。何か新しいことをやってみたいという気持ちでいたことを覚えています。

しかし、2020年。委員長になった3年生の秋、世の中はコロナ禍で未曽有の状況にありました。企画実行委員会は、安全に行事を開催するため、さまざまな対策を行いました。その一環として、全参加者がいつ、どこに立ち寄ったのかを把握する必要に迫られました。これは、われわれにとって大きな試練でした。1000人を超える参加者が集う新入生歓迎会で、いつ、どこに、誰が立ち寄ったかを把握するのは非常に時間がかかり、誤りも生まれます。悩み考えた末、私の研究分野である情報工学の技術を用いて、「MiNERVA」という入室管理システムを構築しました。

実践に当たり、授業内で培った知識を活用しました。実装してみると、動くと思っていたプログラムが動かない、画面が真っ白になってしまうなど、さまざまな困難がありました。授業では学べなかった内容も含めて実際に経験できたことは、私にとって大きな糧となりました。

コロナ禍において、小金井企画実行委員会は学生の楽しみを奪わないよう、常にできることを考え続けています。そのため、全国の同じ境遇の学生のために、このプログラムを開発者向けのネットサービス「GitHub」※にて無償で公開しました。

こういった活動ができたのは、法政大学の「自由を生き抜く実践知」を掲げた大学憲章があってこそだと感じています。社会的に困難な局面で、自らの意思で自分の技術を存分に実践することができました。

今後もたくさんの壁があると思います。しかし、逆境でこそ自分の力を生かすことができると、「MiNERVA」の開発を通じて知ることができました。そして、この活動はたくさんの教職員の方、友人に支えられて成し遂げることができたとも感じています。小金井企画実行委員会としても個人としても、今後も技術の実践を用いてさまざまな課題に挑戦していきたいです。

※GitHub:プログラム開発者向けのプラットフォーム(必要な情報を共有できる共通基盤)。情報を公開することで、他の人もプログラムコードなどを再利用できる。

(初出:広報誌『法政』2021年10月号)

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