【Message】個人競技におけるチーム力

体育会航空部主将
法学部国際政治学科4年
原田 俊平さん(Harada Shumpei)

  • 2022年8月30日 掲載
  • 学生紹介

Messageでは、「自由を生き抜く実践知」を体現している学生の声を届けます。

2022年3月に公開された青春アニメ映画「ブルーサーマル」をご存じでしょうか。体育会航空部の大学生たちの日常を描いた作品で、そこでは「グライダー」というエンジンの無い航空機に乗り、青空の下で発生する上昇気流(ブルーサーマル)を捕まえながら空を飛んでいます。

グライダーは操縦者だけでは飛ばせないので、安全かつ効率的に飛ばすために部員が役割を分担して地上でサポートしています。1人を飛ばすために全員が協力し、訓練を行っていることは、映画内でも描写されています。実は、この映画のモデルの一部は法政大学体育会航空部であり、我々も同様の活動をしています。

私は元々は航空機が好きなわけでも、航空関係の仕事に興味があるわけでもなく、大学に航空部という体育会活動があることも知りませんでした。しかし1年次に友人に誘われて航空部の体験搭乗会に参加したことで、自らの操縦で空を飛べることに魅了されました。「4年間を通して、自由に空を飛び続けてみたい」と思い、入部を決意しました。

航空部では、基本的に訓練中の運営も全て部員主体で行います。いかにフライト練習と運営の両立が図れるかが重要です。 

3年次の11月に幹部学年となってから、主将として安全にグライダーを飛ばすことと訓練効率を両立させることに非常に苦労しました。しかし問題点を把握して改善策を実行すること、卒業された先輩方や教官方からの助言、同期や後輩からの厚いサポートを受けることで少しずつではありますが両立できるようになりました。自らの視点で問題点を理解することと、チーム力の大切さを実感しました。

映画の公開と同時期に「第62回全日本学生グライダー競技大会」が開催され、当時卒業を目前にした先輩方が主力選手として出場しました。競技※は約7日間にわたり、1日ごとの個人のフライト(飛行)得点を合計し、総合点を競います。飛行中は1人ですが、帰投した際にチームで作戦を考えるなど、操縦者が全力でフライトできるように選手以外の全員がサポートしました。その結果、団体戦では準優勝、個人戦では優勝という輝かしい成績を残すことができました。大会を通して部全体が熱く、一丸となれたからこその結果だと感じています。

今年度は、私の代が主力選手として出場する番です。個々のフライト力と運営力を磨きつつ、チーム力の向上を一番に図り、同期や後輩と共に全力で駆け抜けていきたいと思います。

※競技大会では、設定された2カ所の旋回点(滑空場からそれぞれ6kmの地上目標)を順に通過し、短い時間で帰投した機体から高い得点が付与される。安全に関するルールや設定された高度を違反すると減点対象となる。

(初出:広報誌『法政』2022年6・7月号)

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