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【2022年度(第6回)自由を生き抜く実践知大賞】よき師よき友が選ぶ実践知賞「スポーツ活動と研究教育活動の両輪『人馬のウェルビーイング』」紹介

  • 2023年3月3日 掲載
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■受賞名

よき師よき友が選ぶ実践知賞

■受賞取組

スポーツ活動と研究教育活動の両輪『人馬のウェルビーイング』

■実践主体

法政大学体育会馬術部

■概要・成果

体育会馬術部では、インカレ出場・入賞を目指し日々練習をする「スポーツ活動」と、学生の学習を確保し、同時に人馬双方にとって健康で幸福な暮らしを創出する「研究教育活動」に取組んでいる。この両輪の活動を『人馬のウェルビーイング』と定義して、部員一丸となって活動している。

コロナ禍に入る直前から、現代福祉学部の佐野竜平ゼミと協働するようになった。現在では、当部馬場の隣に「人馬のウェルビーイング農園」を開設するなど、国内外に学びながら馬糞堆肥を活用した循環型社会づくりの実証実験に取組んでいる。

2020年5月より、馬糞の活用方法を模索すべく、馬糞堆肥化プロジェクトを部内で推進した。実証のために生命科学部の佐野俊夫教授研究室へ成分鑑定を依頼し、堆肥として有効であるというエビデンスを得ることができた。
2021年3月に、当部部長でスポーツ健康学部の高見京太教授による「課題解決型フィールドワーク for SDGs」の実施に参画した。馬やホースセラピーの基礎を講義で学んだ受講生の、乗馬や馬の世話に関わるフィールドワークのサポートを通じて、馬の大きな可能性を共有でき、改めて「馬」の魅力を体感することができた。
2022年3月には「ウェルネス乗馬」(心身に障害を持つ方や健康づくりに興味のある方に対して馬とのふれあいを通じてサポートする)と「引退競走馬のリトレーニング」をテーマに掲げた、2回目の「課題解決型フィールドワーク for SDGs」の実施に参画した。北海道新冠町の錦岡牧場より寄贈を受けた本学所属の引退競走馬を用いて馬との触れ合い等を提供し、人馬双方の健康で幸福な暮らしの実現を目指すことができることを確認した。同時に、JRA日本中央競馬会による先進的な取組みも学ぶことが出来た。
2022年5月25日、7月20日、9月28日の3回にわたり、多摩キャンパスに勤務する事務職員の方々を対象に、HSP加盟パートナーである「NPO法人日本障害者乗馬施設フューチャーバレー」に監修を受けて「人馬のウェルビーイング活動」のモニタリングを実施した。当部の引退競走馬についての紹介や、馬との正しい触れ合いを体験するプログラムであり、約1時間の中で引退競走馬についての理解を深め、正しい知識を元に安全な触れ合いを楽しんでいただいた。

2022年度秋学期には、市ヶ谷リベラルアーツセンターの講義科目として、高見京太教授による「課題解決型フィールドワーク:競馬とウェルビーイング」が始まった。主にJRA日本中央競馬会からゲストを招いて学びを深める寄附講義の位置づけであるが、上記のような様々な連携活動が身を結んだものである。

今後も、『人馬のウェルビーイング』が、人と馬の双方に及ぼす影響を検討し、引退競走馬と人々の有用な関わりを研究していく。

■総長からの選定理由コメント

馬との触れあいによる人の福祉、引退競走馬のリトレーニングによる馬の福祉、パラ馬術による障がい者スポーツの実践、馬糞堆肥の地域農業への還元という諸活動をつなぎ合わせることによって、相乗効果を生んでいる。馬というパートナーなくしては成立しない馬術というスポーツに、多摩キャンパスの城山地区を拠点として取り組んでいる馬術部だが、一般の学生教職員にとってその存在は場所の問題もあって見えにくい。また、馬術というスポーツそのものが現在の東京において身近なものとは言い難い現実がある。そんななかで、この取り組みを通して積極的に一般学生や地域の人びとにアプローチし、ヒトと馬のパートナーシップが持ち得る価値を広く伝える力のある取り組みは貴重だ。

■受賞の感想

この度は「自由を生き抜く実践知大賞」の開催と名誉な賞を賜りまして誠にありがとうございました。
多摩キャンパスの豊かな立地と、馬との関わりという特性を活用できるよう、長い年月をかけて試行錯誤した成果を皆様と共有できましたこと、何より多くの方々に共感頂けましたことを大変嬉しく思います。
特に、人馬のウェルビーイング活動についての感想を頂くことが多く、実際にウェルビーイング活動を体験し、効果を実感することが出来たという声や、多摩キャンパスで馬と触れ合うという憧れを叶えてみたいという嬉しいリアクションばかりでした。
創部101年となります来年度も、勝利の追求にとどまらず、世の中の急速な変化を受け入れ順応する新たな体育会のあり方を探究します。
何より近年のコロナウイルスによる制限の多い環境下でも、我々の活動が継続できるように日々体制を整えて下さいました多摩体育課並びに関係者の皆様におかれましては、改めて心より感謝申し上げます。


体育会馬術部 主将
武内 慶太

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